剣道の師範から教わった武道を極めるための方法論。世阿弥の言葉に端を発するという話もありますが、まず序･･･師をなぞる。基本に徹し、技をまねることから始める。そしてそれが完全に身に付いたとき、破･･･意図して基本から外れる。そして離･･･師から離れて、自分の形を探して行く･･･と。

そういう意味では確かに「序」かもしれない。しかしながら、この作品はその様な禁欲的な世界とは真逆のモチベーションで作られている。メカやビル、工場などの意匠、造形もさることながら（あげればキリないけど、）液体呼吸、神経接続、N2地雷などなどSFファンからすれば流涎ものの世界観だ。実際はそれだけじゃなく、様々なオタク的悦びに充ち満ちていると言っていい。まったく良くできている。

ただ、やっぱりドラマの部分はダメだ。無理にエモーショナルな世界を描いてそれらしいものにしなくても。俗でもいいじゃない。いっそタランティーノやキューブリックみたいに潔く悦楽の世界に身を委ねて煩悩全開、やりたいホーダイやったら突き抜けて凄いものになるかもって思うんだけど。