コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 力と栄光(1933/米)

市民ケーン』の先駆であるという風評が有名なスタージェスの初期脚本作。私にとっても「幻の映画」だったのだが、見てみると確かに時系列が崩された(直線的な時間軸でない)回想がやゝ知的な印象を与えるが、画面上はあまり見所がないというか、はっきり云えばとても幼い映画でした。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 タイトルクレジットは後からつけたような感じがするし、本編中も明らかにカットが欠落している「繋ぎの悪さ」が数箇所あるのだが、それ以上に殆どカッティング・イン・アクションが行われていないか、行われても上手くいっていないので、とてもぎこちない。特に人物の動きの継続性がおかしい。(明らかにフィルムの劣化じゃないということ)

 時系列が逆転したプロット構成で上手いと唸ったのは、スペンサー・トレイシーが浮気を告白した後の妻・コリーン・ムーアの顛末を描いたシーンに繋げて新婚時代に遡り、妊娠したことを告げるシーンが続く部分。こゝは見ていて堪らなかった。ただ、語り部であるラルフ・モーガンの妻がトレイシーのことを悪く言い過ぎるのが臭いし、最後には結局は赦してしまう結末も安易過ぎて納得性がない。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。