[コメント] ガラスの中の少女(1960/日)
吉永小百合の初主演作だが、いかにも添え物っぽい小品。吉永とその父親・信欣三の関係がきちんと描けていない等、けなしたくなる部分もあるのだが、しかし全般に、考えて演出されており、私は充分楽しめた。例えば前半で四ッ谷駅が出てくるが、この駅のたたずまいがとても上手く使われている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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或いは、これはあざといという見方もあるだろうが、相似する演出を繋げた面白いシーン繋ぎが3箇所ある。
(1) 浜田光曠(光夫)と吉永が走るカットの次に浜田の近所で女達が走るカットを繋ぐ。
(2) 浜田が橋の欄干から紙飛行機を飛ばすカットに続いて吉永が家の縁側から庭に紙飛行機を飛ばすカットを持ってくる。
(3) 浜田が草薙幸二郎の部屋でパンを食べるカットの次に吉永が家でごはんを食べるカットが来る。
浜田は佐野浅夫の玩具製作所で働いているが、この工場のたたずまいもいい。また浜田の母親は小夜福子が演じており、この母親の造型、特に父親を思いの外かばうところが面白い。さらにラストの心中前の舟のシーンもいい。なんともあっけらかんとした描写。そして吉永の背景の雲が動くカット。
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