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[コメント] エディット・ピアフ 愛の讃歌(2007/仏=英=チェコ)

エディット・ピアフのアーティストとしての人生よりも、一人の女性としての人生を重視した作品。だからこそ彼女の「ピーク」をマルセル・セルダンとの恋愛時代に置いているのだろう。
Master

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アーティスト人生のピークを考えるのならば、「愛の讃歌」や最後のオランピア劇場でのコンサートはもっと盛り上げてくるのではないかと思う。想像よりもさらっと流しているので端的に言えば、肩透かしを食ったという印象も否めない。特に「愛の讃歌」は大ヤマという認識でいたので、そのあっさりさ加減には驚いた。

その分、人間ピアフの描き方は、交通事故やモルヒネ中毒、そして奔放というか自分の思うままに生きている様にいたるまで丁寧に描かれている。その中で一番時間を割いているのが、マルセル・セルダンとのエピソード。個人的にはこの選択については疑問があるのだが、ストーリーに素直になれば、自然な帰結である。

後、特筆すべき点として、本作は伝記映画には珍しく、時系列をかなり崩している。人生を一本の線として追いかけようとする場合、かえって邪魔になってしまうので、そういう意図を持って本作を観ようとするならば、彼女の人生については簡単に予習した方が良いと思う。

最後に、歌は素晴らしい。エディット・ピアフが世を去ってからは50年弱になるが今聞いていても全く遜色のないものである。今、ディーバなどと言われてもてはやされている人たちの楽曲が50年後にどれほど残っているか、そう考えると彼女の偉大さは十分に分かろうというものである。

(評価:★3)

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