[コメント] 銭形平次捕物控 まだら蛇(1957/日)
こういうシリーズ物では必ず1、2話、主人公に絡む恋物語がある。今回がそれだ。どうしても平次と小吉(ひばり)の方に目が行きがちになるが、作者が語りたかったのは、お絹の話だろう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
小吉(ひばり)は歌えるし(2曲共に佳曲)、2変化もするので、誰よりも目立っている感じもするが、その2曲はお絹を唄っている歌だ。「若衆船」と「十六夜ちどり」。
具体的にいうなら、「若衆船」はレコードでは3番まで有るが、劇中唄うのは1番と全く新しい2番(これがお絹の歌)。つまり2番は映画でしか聞けないプレミアム曲になっているのだ。更には1番の詞も最後の1行を映画に合わせて変えている。
そしてラストシーンで歌う「十六夜ちどり」は(お絹の歌とも取れるので)詞は変えていないが、本当にいいシーンだ。詳しくは省くが、役人たちの捕り手船の中を、作者はもう捕り物は終わったとばかりに、負傷したお絹を乗せて小吉船が進んでいくのだ。
「♪船は漕ぎようでままにもなるが、ままにならない浮世波♪(詞:石本美由起)」とお絹の、平次も気付いていない彼への思慕を唄うのだ。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。