加えて、傍若無人なアメリカ人どもが他国に土足で踏み込む品の無さに、嘔吐感。

ああいった映像で、臨場感を演出したかったのは分かるが、意図的にそれを煽りたてようというのが見え透いているせいで、却って全てが虚構であるのを意識させられる。

色々と錯綜する割には意外とすんなり筋が頭に入る辺りは、感心する。また、劇中のFBIどもを、復讐心に駆られた下品な連中として、一歩退いた所から見つめる視点が無い訳ではないので、その辺の不快さは我慢できぬほどではない、と一応そういう事にしておこう。

マシュー・マイケル・カーナハンはなかなかの脚本家だと思うが、『大いなる陰謀』と併せて考えるに、情報量の多さがネックとなって、演出するには難しいタイプの書き手なのかも知れない。