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[コメント] ヴィーナス(2006/英)

決して深刻な老人映画ではない。かといって甘いロマンス映画でもない。老人の脳裡に存在するものって、みんな興味もなければ臭いものだと思っているのでしょう。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







でも、実際は近づきつつある死も考えるけれども、この主人公のように常に生に向かってポジティブに日常を送っているのだろう。何ら若者と考えている性向は変わらないのだ。

そんなある意味生活的にも名声的にも恵まれている老人をあのピーター・オトゥールが演じている。金髪に碧い目でハンサムすぎるからかどちらかというと異常性格の役柄に特異な目を見張る演技をしていた役者である。

本作はオトゥールそのもののようなかつての名優画主人公で、まさにオトゥール自身であるかのような設定である。女は若いけれども美人ではない。どちらかというとパスタイプなのだが、オトゥールはなぜかのめりこむ。老妻もいるが(バネッサ・レッドグレーブだ。素晴らしい演技。相変わらずうまい。)もう終わっていて、自分の生きる糧にこの女を愛し始めている。

この辺りは月並みな男でいて、精神的には枯れてはいない。男ってこうなのかな。僕にはまだまだ分らないが、生きる望み、明日がある間は行動に移すかどうかは別にしてこうなんだろうなあ、と思う。

ええ、結構楽しい明るい映画でしたね。女性側からだとどうなんでしょね。

(評価:★4)

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