[コメント] 4分間のピアニスト(2006/独)
映画を見終った人むけのレビューです。
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主演の女の子や、映画全体の雰囲気や見せ方はいい感じなんだけど。 人の描き方に深みがなくて、誰にもまともに感情移入できないので、 誰もを冷ややかな目で見てしまう。 ストーリーものめり込むような要素はなく、だから?といった気持ちになる。 脚本が悪いんだろうか?
でも、主演の女の子が弾く音楽は結構好きだ。
自分もかじってたくせに、ピアノの音ってあんまり好きじゃない。 クラシックもジャズもピアノでの演奏はあまり聴きたいとは思わない。
そんな自分でも、いいなーって思える演奏だった。 ほんとすんごい好み、ジェニーいい趣味してるよ。 クリューガー先生も、もうちょっと融通きかしてくれればいいのに〜って思っちゃう。
上手く表現できないんだけど、なんていうんだろう? 前衛的で荒々しい、激情をぶつけられ自分もそれに飲み込まれていく。 彼女の音楽は、そんな感じの音楽。
演奏するということは、自分を表現することでもある。 それを低俗だとみなし、限られた楽曲を限られた弾き方でと強制するのは、 演奏者そのものを否定することと同義だと思うんだけど。
自身を真っ向から否定されていると感じているからこそ。 親しみを増しながらも、2人の間の権力闘争は止むことはなく。 闇を抱えた同士だからと馴れ合うこともなく。
最終的に、才能と我のぶつかり合いの結果は、 ジェニーがクリューガーをねじ伏せたかたちになったけど。 クリューガーは低俗な音楽を、クラシック以外の音楽を認めたわけじゃない。 ジェニー自身を、彼女の音楽の在り方を認めたのだと思う。
もっと上手に描いてくれたら、もっと良い作品になったかも… と、微妙な気持ちになる映画。
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