[コメント] オフサイド・ガールズ(2006/イラン)
一見するとドキュメンタリ・タッチの即興風だが、脚本もコンテも非常によく考えられている。あるいは本当にこれが即興だとするならば、それこそ凄まじい演出力だと云わねばなるまい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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とてもとても面白い。私は腹を抱えて笑いながら見ました。小事件をとめどなく連続させながら試合の経過/結果と連動する形で作中人物間の関係性と物語を展開させ、最終的には祝祭空間を創出してしまうという作劇・演出が実にすばらしく、また感動的。トイレのシークェンスにおける人物の出し入れの演出も惚れ惚れするほど見事だし、ダイアローグも抜群に可笑しい。そして少女に選手の顔写真ポスターを被らせたり、ボディ・チェックを受けたはずの小僧が大量の爆竹や花火をバス内に持ち込んでいたりと、映画は観客を驚かせてナンボだということをジャファル・パナヒがよく弁えているのが何より頼もしい。少女六人+小僧一人がラジオに聴き入るショットのように純粋に力のある画面も多い。
「First girl」とクレジットされているシマ・モバラク=シャヒがとりわけ可愛らしいけれど、そのほかのキャラクタもみんな魅力的。映画を見終わるころにはこれらの女の子や兵士、小僧ら全員のことが愛しくてたまらなくなっていることでしょう。
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