前半の構成はなかなか面白い。しかも無人のＮＹをよくぞ演出したと思う。こういう風景を大きなスクリーンに映像で表現したことを評価したい。

かつて『バニラ・スカイ』でもＮＹが無人化したが、ここまで退廃した映像にはなっていない。あの映画を超えたという意味で素晴らしいと思う。

そして生活の中にボブ・マーリーやゴッホの絵画があり、シュレックのセリフを丸暗記するほど見続けている生活が臨場感をかもしだす。

そして愛犬のシェパードにサムという名をつけたのもユニークだ。そう、サム・シェパード。この映画には全く関係はないが、思わず笑ってしまった。

色々調べると、原作やリメイク前の本作は『地球最後の男』として作られていて、周囲が全員ゾンビとなってしまった中、普通の人間が自分ひとりとなると、その存在そのものが怪物（レジェンド）となってしまうというオチになっていると聞く。

大勢翼賛的な話しだが、全員が怪物になってしまうと、普通にしている者が怪物になってしまうということだ。

確かに、映画の途中そのことを考え、この映画もそのような結末に至るものと思ったら、何とノアの箱舟的な世界に血清をもたらすというお話しになっている。この終わり方が良いのか疑問である。