見始めて15分くらいした頃、「あれ？ウィル・スミスが冗談飛ばさないなぁ」と思ったら、なんだ、これ原作のイメージそのままのシリアス路線で作ってるのかって初めて気がつく始末だった。しかし、それならばこの映画の設定の拠り所である「たった一人残された孤独と悲哀」を前面に出さなきゃ、面白みは半減するが、それが毎朝交わすマネキン（しかも自分で配置したと想像させる）との一方的な会話と風化した誰もいないＮＹの町並みだけでは、いかんせん物足りない。

ワクチンを開発するのだって、もっとその過程を淡々と描写すれば、孤独感とそれに耐える哀愁が出ておもしろいだろうに。サバイバルのための準備だってそうだ。時間は山ほどあるだろうから、もっと襲撃に備えたトラップや装備を山ほど用意しておいて欲しかった。そういう細かいことを淡々と積み上げる方が、原作のイメージにも近いし、よりシリアスになると思うが、途中からアクション欲求が爆発しちまって、冗談を飛ばさないウィル・スミスが、シリアスになりきれずに中途半端に成っちゃった。

しかし、それでは大仕掛けの「仮面ライダー vs ショッカー」と変わんないわけで。