[コメント] アイ・アム・レジェンド(2007/米)
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荒廃したNYをたっぷりと堪能。車で滑走して、いろんなスポットを見せてくれたし大満足。こんな世界に住むことができれば、それはそれで楽しいんじゃないかしら。
ゾンビは意外とつるつるしていて可愛かった(笑)。暗闇のシーンが続いてて、出てきた瞬間に逆に安堵を感じてしまった。やはり想像力を刺激されるほうがよっぽど怖い。
それにしても、アリシー・ブラガという女優さんを初めてみたけれども、彼女はとても魅力的だった。廃墟と化した世界でゾンビとゴッツイおっさんしかいない中、ここぞというタイミングで台所に立っている。ただそれだけで、歓喜の雄叫びをあげてしまいそうになった。もう、この手の込んだ舞台は彼女を演出するためだけにあったのではないかというほど。このままシッポリとベットシーンかと思ったけど、甘かった(笑)。
しかし、ウィル・スミスが演じるおっさんの意図はよくわからない。インパラを狙ってたと思ったら、ライオンの親子がでてきてナヨったりもして。どうも元軍人とは思えぬほどに、センチメンタルなようだ。そりゃみんな死んじゃって孤独で人恋しいのもわかるけども、たくさんのメディアも残されているなか、独り言を連発するほどにイカレちゃうもんかな。もっと適応できちゃうのが、人間だと思うけど。
それにしては、結構残酷な一面も見せる彼。サムが死んじゃって自暴自棄になったら、「みんな死んじまえぇぇ〜」でゾンビ殺戮ですか…。仮にも救おうとしてる対象で、治る可能性も信じているのに、そこまでできるのは何故?ゾンビにも相当な知性がのこされていて、別エンディングでは彼がさらった女ゾンビを助けようとしていたことが明らかになるらしいけれども、死にたいなら一人で逝けばいいのに。彼はボブ・マーリーの信者らしいけれども、マーリーはアフリカ回帰運動の性格をもつラスタファリズムの提唱者であって、それなりにアレな人。「ここに残る」と頑なに連呼することからしても、彼とは正反対のポジションにいるはずなんですが。
強引にインパラやライオン、そしてボブ・マーリーを出してくるからには、ラスタファリズムについて考えざるを得ないけれども、ならば粗暴で闇に紛れるゾンビとは黒人のことを指しているのだろうか。だとしたら、ラストの"Light up the darkness"って、とんでもない映画だなーこれ。
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