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[コメント] キー・ラーゴ(1948/米)

本作の美点は「フロリダをインディアンに返却せよという運動」をしたというライオネル・バリモアの死んだ息子の回想であり、先住民たちに寄りそう一家の描写だ。原作はマックスウェル・アンダーソン
寒山拾得

**ネタバレ注意**
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なんかエドワード・G・ロビンソンが迫力ありすぎて彼の映画になってしまっている。ヒューストンの得手という他ない。その実、造形は意外と平凡で「金と女がほしいから」みたいな発言に深みはなく、その幼稚性を延々披歴し続ける。

クレア・トレヴァーのアカデミー取った独唱(Moanin’ Low。リハなしのぶっつけ本番だったらしい)は傑出している。その後で、ジギーという旧知の取引相手が来て、ロビンソンとトレヴァーは関係がまだ続いているのだろうとトレヴァーにも笑顔を振りまき、ふたりもギコチなく昔の仲を演技する件がいい。

その他はどうということもない。嵐も窓割れるだけで地味。作品のヤマは、ギャングに取り囲まれて警官に正直な告白ができなかったため、警官に誤解を与えて匿ったインディアンを射殺されてしまった、というバリモアら三人の悔恨にあるだろう。しかしロビンソンが悪目立ちし過ぎてこちらが霞んでいる。沈黙していた三人が終盤に「一緒に暮らそう」と云いだし、ボギーが「戦士は戦いたいんだ」とドンパチ始めるのはいかにもタメが不足している。船内で屋根から下を窺ってロビンソンを威嚇するボギーの連発ショットは奇妙で印象に残る。ヒューストンらしいショットとはいいかねる不思議なものだ。。

(評価:★3)

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