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[コメント] ペルセポリス(2007/仏=米)

「公明正大」というイディオムの素晴らしさを、今さらながらに思い知る。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







正直なところ、イランの政情なんて理解していない。アナーキストもプロレタリアも分からない。でもなんかテレビでみんな騒いでいるから意味分かんないけど一緒に騒いでみようかなとか、みんなあの子のお父さんは殺人者だって言うから拷問しないといけないだとか、意味も分からず大騒ぎしてみたり、子供特有の残酷さで友達をいじめてみたり。そういうのってイランから遠く離れた日本でも同じ気がする。日本だけじゃなく、世界に共通して同じ気がする。

全然違う環境に生まれ育っていても、思う事や考える事、納得いかない事ややりたい事・・・みんな一緒なんだなとつくづく思いました。イランの情勢を理解していない私の言い訳になってしまうかも知れないけど、結局のところ家族の在り方を伝えた映画なのかなと思います。特にばあちゃんが口をすっぱくして言い続けてきた「"公明正大"に生きる」って本当に素敵な言葉だなとつくづく思いました。どんな環境で生きて行こうと、このメッセージは世界共通。辛い事も沢山あったし、不自由な事も多かったかも知れないけど、そういうメッセージを残してくれる家族がいるってだけで、マルジの半生は確実に輝かしいものになっていると思います。本当に素敵な映画でした。

あと、これも理解不足の言い訳かも知れませんが、ばあちゃんが言った「日本人は何かと言うと切腹と騒ぐか、変な怪獣を作ってばかりだ」という言葉。なんだかとても安心出来たというか、すごく身勝手な捉え方かも知れないけど、他の国を理解しきれてないのってアンタだけじゃないんだよって言われてる気がして、やっぱりばあちゃん最高だと、そう思ってしまいました。

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08.01.21 記

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)kazby[*] ぽんしゅう[*]

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