[コメント] スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師(2007/米)
ティム・バートン監督の世界は、白黒そして赤の世界だけなんだろうか
本作品は、実にティム・バートンらしいものであった。この監督が作るミュージカルを堪能出来た作品であるが、劇中のもっとも人間らしい本能に近づくにつれ使われる色が濃くなり、人間だれしもが抱く願望が描かれるに連れ華やかな色遣いがされていく。これまでにもずっと使われてきた手法であった。
しかし、今回はより華やかにそしてより血に塗られた世界との対比を表す為により強烈に描かれていたように感じる。それほどまでにこの監督は人間の本性が嫌いなのだろうか?私は、この作品を見ていくうちに疑問を感じていってしまった。
それならば、劇中に描かれた娘に対する父親、判事、そして青年の一途な思い、理髪師を思う未亡人の思い、自由を願う娘の思い、これらの純粋な気持ちをかくも見事に描写していく事は出来ないのでは無いのだろうか?
これまでティム・バートンの世界に人間不信という思いが根底にあると感じていたのだが、それは今まさにまちがいであったと痛切に感じてしまう。人間が好きで好きでたまらないが故に、本性を暴きそれらを乗り越えて生きていく事をメッセージにのせているように感じている。
でもティム・バートンという監督は、そんな単純な思いだけ出はなくもっとすごいメッセージを映画に付けて発信しているのかもしれない。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。