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[コメント] 28週後...(2007/英=スペイン)

紳士じゃないもん!
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







夫が妻を見殺しにして逃げるエピソードから始まって、子どもは大人の言うことなんてきかないし、人は人をやむを得ずといっては殺す。主人公家族がお互いを傷つけ滅んでいく話と、国家による民衆殺戮の場面だけで物語が成り立っているところが独自性があって、そういう意味でとても惹かれた。

感染者と逃げまわる人間たちの区別がつかないからといって、途中からただのマンハントになっていく場面の創出は、もうこうなったらそうせざるを得ないよね、と思わせる展開が自然で感心した(その代わり、妻から夫への感染〜夫の暴走の展開は相当強引だけど)。救出されたい人間にヘリがしがみつかれ、そこに感染者の大群が襲ってくる場面では、もう映画だったら間違いなくヘリがついには墜落させられ、人間たちの愚かさを描くのが定番なのに、ヘリが感染者たちををバラバラに粉砕して一掃してしまうなんていうのもシニカルで良かった。

「失楽園」や「蠅の王」、「きかんしゃトーマス」もそうだけど、大人は紳士じゃないし、子どもは天使じゃない。人間性なるものへの否定的なまなざしが骨の髄まで沁み込んでいるんだなぁイギリスは、と思った。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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