[コメント] L change the WorLd(2008/日)
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既存のLというキャラクターは、正義と自己犠牲と、正義のために自分が裁きをくだしている苦悩や孤独を持っていて、それはそのまま本作にも受け継がれていたと思います。
そのLのキャラクターに、中田監督は博愛てきな意味を付加していて、中田監督らしい感じがしました。犯罪のせいでワタリを失った自分と、やはり犯罪のせいで父親を失った少女の対比、彼らが互いの存在に癒されていくさまは良かったでした。Lが少年にNear(救いたい人の近くに居れます様との願い)という名前を付けるエピソードも良いです。名前を付けてやれる人が彼に居るということが温かく、Lがもう孤独でないことを自然な形で表しています。名前の意味もとても温かい。
私が中田監督作品をすきなのは、こんな所で、血のつながりを越えた博愛を感じさせる作り方は、初期の作品からずっとな気がします。
ただ、作品として観たら、どうなのだ、と思う箇所が幾つか。おかしなところが有っても重要でなければかまわないわけだけども、本作はそのおかしな箇所を起点にストーリーが転がっていくのだから、いけない気がしました。たとえば、飛行機のコックピットはあんなに簡単には進入できませんから、こんなふうにストーリーが進めることは、浅はかです。研究所の施設に関しても同じです。日本にあのレベルの施設は存在しないはずですが、それよりも低いレベルの施設でさえ出入りは録画されています。正面から入って犯罪するなんてありえないです。ストーリーの実際的な運びは、お粗末。もとから気にしていないのでしょうが。
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