[コメント] ヒトラーの贋札(2007/オーストリア=独)
史実を基にしながらも、巧みな脚本で、事態の経過、本質をより鮮やかに浮び上がらせた映画。同時に、しびれるような魅力をもってプロの犯罪者を描いた、男の映画でもある。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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最初は要領よく収容所で生き延びる為だけの人間であったのが、いざ贋札造りに携わると、それこそ水を得た魚のように生き生きとし、サボタージュするものも含めてすべての仲間を気遣い、そのために身体を張る。
その姿はまさにプロの犯罪者とはかくあるものかとさえ思わせる。
特に最後、金を取りに戻ったナチの将校を痛めつけはしても、結局殺すことはしない。自分が何者であるか、贋札は造っても人殺しはしない。そういうプロの、男としての矜持を感じさせた。
またテンポもよく、心地よい緊張感が最後まで持続しており、娯楽作品としても一級の仕上がりになっている映画だった。
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