[コメント] 奈緒子(2007/日)
まず画面に力が無い。多分、主演の二人には本職の選手並に走り込んでもらわないと絵にならないんだろう。加えて、原作のプロットが生むドラマを理解していない脚本、テンポの悪い演出と、三拍子揃って退屈の極み!
観ていて鬱になるくらいテンポが悪く、上野樹里と三浦春馬という強力なはずのキャスティングも不発。
敢えてドラマチックな作りにしなかったのが意図的であるにしても、それで空気感が伝わるわけでもなく、ただちんたらと退屈で単調でまるで爽快感のないスポーツ映画。
9年間に及ぶ連載マンガである原作なので、映画化に当たって大胆に省略してまとめたのは当然だけど、この脚本は完全にポイントを外していると思う。ただ、いくつかのエピソードを借りて来て組み合わせただけで、そもそも主要な登場人物のキャラクター設定がまるで違うので、これでよく原作者が納得したものだと思う。
映画では、まず奈緒子自身が高校記録を塗り替えるほどの陸上選手であることが示されないこと、また彼女を先に受け入れる雄介の兄の存在が省略されていること、中学の陸上部のコーチと高校のコーチが合体して別のキャラクターになっていること、雄介を愛する島の人たちがきちんと描かれていないこと、チームメイトが映画では雄介を妬むなど矮小化されていること、ライバルのエリートぶり一匹狼ぶりが描かれていないこと、などなど、こんな設定では、そもそもこの物語はドラマとして成立しない。
いったい何を作りたかったのかよく分からない、という意味で、駄作というよりは愚作だと思う。あんまりつまらなかったので、つい原作のマンガを買って来て読み直してしまった。あ〜、面白かった♬
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