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[コメント] 4ヶ月、3週と2日(2007/ルーマニア)

渦中の本人よりもその友人の方がより切実に問題を共有して見えるという構成の妙。
G31

 どうして女(厳密には若い女)だけがこんなつらい思いをしなければいけないのか?といった女のルサンチマン、ないし女性(厳密には若い女性)が社会から感じる孤立感を、結果として描き出していると言える作品。こういう感覚に共感し得るということ自体が、いまだに社会における女性の地位の低さないし性の問題の矛盾を表象し、その意味でアクチュアルな問題提起の映画となり得ている。大胆かつあっさりした性描写も、こういう事象を側面から支えている。

 だが正直言って、思い入れタップリな映像表現に感情移入を妨げられるのも事実。具体的には、エピソードからエピソードへ移るただの移動シーンなどを、やけに懇切丁寧に描くのだが、これに退屈さ(ありていに言えば眠気)を感じるなと言う方が無理。映像を見る徒労感によって、女性が社会から感じる徒労感を味わわせよう、という試みではあるが、これは映像表現としては別物、スジが違うと思う。

 まあ、十分体力のある人が観たら、また別なのかもしれない。

75/100(08/08/02見)

(評価:★3)

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