[コメント] 王妃の紋章(2006/香港=中国)
黄金と紅と極彩色の、細密かつ絢爛豪華な美術。女官たちの白く柔らかな胸の谷間。火花散る、ハッタリ満載の戦闘シーン。甲冑姿の大軍同士がぶつかり合う場面はもはや、人というより甲虫の縄張り争いのよう。役者もそれらに負けじと大奮闘。脚本はベタですが。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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皇帝への謀反が失敗に終わった後――、宮廷にはいつも通りの天下泰平を告げる時の声が響き、夥しい流血は水で洗い流され、兵士たちに踏み潰された花々は植えかえられ、血に汚れた絨毯は新たな物に素早く替えられる。そして皇帝は、トリカブト入りの薬を王妃にいつも通りに飲ませようとする。この、後片付けと入れ換えの手際のよさや、最後に歌と花火で華々しく終了させるところなど、チャン・イーモウが五輪の演出を任されたのも頷ける。また、こうした様式美によって権力の絶対性を演出するのは、この監督の十八番だな、と。その辺も中国共産党に気に入られたんでしょうかね。
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