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[コメント] 暗殺者の家(1934/英)

サイレント映画時代にヒッチコックが得たはずの「映像で語る」ことを使い忘れている。映像とオリジナリティ溢れる物語性で回避できなかった結末に表現力の乏しさを感じて『知りすぎていた男』を作ったんだと思う。これはヒッチコックの汚点だろう。
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







しばし黙考の末に出てきた言葉は「ヒッチコックのスリリング、サスペンス、展開の完成度の高さ物語の斬新さは失敗作があってこそなんだろうな」

アイデアの面白さ&見た目の面白さだけで進んだ感が否めなず、年月とともに劣化していく話の内容に危惧したヒッチコックが作り直したのは納得がいく……を実感するために見る映画。

特にラストの銃撃戦。冗長にも程があるぐらいに力業の連続。射撃の名人のくせに至近距離から打ち損じる悪役を作ってしまったetc...の落ち度にヒッチコックの幼さを感じるのではないだろうか。

ぶっちゃけ、それを感じなければ『知りすぎていた男』を作ってまで過去の失敗を隠蔽がてらに活かそうとしたヒッチコックが浮かばれない。慚愧の気持ちを悟ってやろうよ。

2003/4/25

(評価:★2)

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