[コメント] 大いなる陰謀(2007/米)
この日本語のタイトルはいただけない・・・
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
映画は三か所で同時並行する。
この展開が映画的時間を演出する。
だからこの映画に品格がもたらされる。
そう感じた。
ロバート・レッドフォードは『普通の人々』以来、『クイス・ショウ』を除いて、ほとんどの自分で作る映画は家族についてのことだった。それが彼の立場を明確にしていたと思う。
特に『普通の人々』の衝撃は大きかった。
1970年代から、アメリカという国の高揚感は今思えば尋常ではなかった。競争に競争を重ね、いつの間にか足元の家族を見失っていた。そんな当たり前のことすら、この映画を見るまで誰も気づかない。そんな時代だった。
あれから30年近く経過し、この映画で彼は何を伝えたかったのだろう。
それは、されに深刻化したアメリカという国の衰退なのだ。文化も科学も政治も何もかもが落ちぶれたアメリカ。
それは経済の衰退とともに、貧富の差をもたらし、貧しい若者を戦場に送り出し、ゴミのように見捨てる国家。
この映画でトム・クルーズの演じる上院議員がまさにその立場を象徴する。
しかしこの映画の邦題はひどすぎる。陰謀という言葉はこの映画に全く似つかわしくない。解釈が全く違うと思う。
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