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[コメント] ミスト(2007/米)

唐突だが、最初に浮かんだ映画は『八つ墓村』の「濃茶の尼」
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







とにかく怪物たちより恐ろしい「人間」、「群集心理」。あの宗教おばさんがいつの間にか映画の真ん中で物語を転がしている。実は彼女を見ていて思い出したのが、『八つ墓村』の「濃茶(こいちゃ)の尼」。っていって判らない人も多いので、判りやすくいえば、

「た〜た〜り〜じゃぁ〜、八つ墓村の、たたりじゃぁ〜」

この作品、映画だと残虐な殺害シーンばかりの連続だが、閉鎖的な田舎の村の群集心理で、原作では、多くの村人が「連続殺人はおまえのせいじゃ!」とばかりに主人公の多治見辰也を殺そうと追い詰めてゆく。

と、話はそれたが、あのおばさんを見ていると、この作品がダブった。

「異次元」から侵入してきた怪物たち。最初の「触手ニョロニョロ」が正体と思いきや、昆虫、鳥?、クモ、アリ?、そして最後のアレは「象???」。いやぁ、怖かった映画だと思いつつも、人間たちの心理対立の方がはるかに印象に残る。

「薬局探検」のシーン。あぁなんでこの手の映画でありがちな、無謀な「誰かを殺す為のシーン」があるんだ!とちょっと思ったりもしますが、そこにおばあちゃんを連れて行ったのがびっくり。展開上、ここでおばあちゃんは死なないだろうと思ったら、死なないどころか、ものすごく落ち着いて火炎放射の反撃をしたのは、ちょっと笑った。

ラストシーン。もうなにも言いたくなくなるほどの後味の悪さ。今まで見た映画の中で『隣人は静かに笑う』と双璧。ちょっと忘れられない映画になりそう。

(評価:★5)

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