[コメント] 隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS(2008/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
上記の2作が揃いも揃って「うんこ」だった上に、特撮として参加した『ドラゴンヘッド』も「うんこ」。
僕の中では「樋口真嗣=うんこの匠」監督だったわけだけど。。。
今回、彼は斜に構えた僕をいい意味で『裏切り御免!』してくれた作品。
まぁ、特撮出身だけに、爆発は異常に派手で、不必要に多いけどね。
オリジナル未見だけど、脚本がいいんだろうな。
あっ、あと、阿部ちゃん!
名作のリメイクと思って観賞すると多分不満が出ること必至。
ただ、拝借したのは「姫と黄金を守る逃走・脱出劇」という設定のみらしい。
むしろ、オリジナルにインスパイアされたジョージ・ルーカスの『STAR WARS』からも積極的に設定を拝借したかのような、ある意味別物、としてみればコレはコレで面白い。
たとえば、雪姫と武蔵のラブロマンス。たとえば、鷹山のダースベーダーを思わせる甲冑。他にも、疾走するカメラワークなどなど。 海外に持っていったら、みんなどんな顔で迎え入れてくれるだろうか?
小汚い衣装、むさ苦しい髭、黒い顔。
ちゃっちいセットも含めて全て、わかりやすく観易い。
不可もある。
雪姫の弓は見せ場なし。武蔵は大口叩くが力なし。新八も石つぶてが得意技と言いつつ見せ場なし。殺陣は殆ど六郎太任せ。
でも、それでいい。
武術に優れた金堀師や木こりでは興醒め。ココは侍に頑張ってもらおう。
火祭りのシーンでは久々に邦画のパワーを感じた。
ストーリーは全く二転も三転もしない。ただ、黄金の運搬方法のみがオチと言えばオチ。けど、娯楽大作はわかりやすいのが一番。
少し甘いかな、4点。
もう少し、六郎太と新八の脱出劇を丁寧に描いてくれれば5点でもよかった。
オリジナルに拘泥して、「コレはコレ」と認識できず低い点数しかつけられない人は多分黒澤の呪いにかかったご老体。
で、そういう方々は口を揃えて「平民の武蔵が姫と対等に口を利くなど笑止!」と言うが、考えてみれば武蔵は山名の出で、雪姫の顔も知らなかったわけで。
現実の開かれた王室・皇室をみても自然な流れなのでは?
『ローマの休日』は良くて、リメイク版の本作は駄目な理由がわからない。
もっというなら、この物語の舞台は日本とは一言も言ってない。とある国の戦乱の世としか舞台設定はしていないのに、日本人の感覚を固定観念として観賞するなんぞ、それこそ笑止! これだから、盲目的な黒澤信者は困るんだよな。
オリジナルが公開された時、まだこの世にも存在してなかった僕らの世代以降は、普通に観られる筈。
阿部寛もいいが、『SHINOBI−忍−』でも敵役を演じた椎名桔平は、もしかしたら今世紀最大の悪役かもしれない。絶賛!
思った以上に大満足! 逆にオリジナルも観たくなった。
で黒澤御代もにっこり。
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