[コメント] 靖国 YASUKUNI(2007/日=中国)
刀匠が逆質問するシーンが最高に感動した。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
映画とドキュメンタリーの中間を行く、ハンディビデオを使った作品である。
その分、妙にリアルな部分と、強引に物語にしようとする意思の部分とが混在して、心地よい部分と不快な部分との印象が分かれる。
しかし、事実として映っているものについては否定のしようがない。映像というのは恐ろしい。そこに写された現実は否定できない。
この作品の主役は間違いなく「刀匠」である。齢90歳のこの「刀匠」が、他のすべてのシーンを強引に引っ張っている。
本人は全く意識していないようで、強い意識のもとインタビューに答えている。しかし、それもほんのわずかなシーンだけで、この「刀匠」は絶え間なく名刀を作るために寡黙を貫いている。
そしてラスト近く、「刀匠」が作りだした名刀を見ながらしみじみと語りだす。
そして質問者に笑顔で逆質問する。「あなたはどう思う?」
きっとこの「刀匠」はとても頭の良い方なのだと思う。質問者は中国人、答える自分は日本人、そこに意見対立はある、でもこの場でそんなことを語る意味などない、だからひたすら刀を作る。
「刀匠」が出てくるシーン以外は、ほとんど対立の場面ばかりだ。いずれも主義主張が乱れ、暴動となり、警察が来て鎮圧する。それはまさに戦争ではないか?靖国という場所に再び戦争を起こそうとしているようにも見える。
だからなおさら「刀匠」の寡黙が光る。
刀と靖国。その光と影の対比が映画的だったかもしれない。
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