[コメント] P2(2007/米)
地下駐車場という限定された舞台の中で出来ることを殆どやり尽くしている。序盤、犯人との長めの対話では途中で人物にちょっとした動きをつけることで退屈を回避し、フォークを使ったサスペンス演出にも感心。その後もエレベーターでの水攻めなど数多い素敵アイデアやマクガフィン、人物の行動のみを描く様で勢いを持続させ、悪と対峙する車でのチキンレースに到っては思わず唸る。そしてスプリンクラーによる祝福の雨。実に見事。
光の扱いも変に美しく撮ろうとせず、荒涼としたコンクリートの質感や青白い照明などあくまでも即物的な感触を残したままの引き締まった画調を提供していて悪くない。死闘の末、ヒロインが遂に脱出に成功したまさにそのショットでさっさと終わらせる潔さも良い。
くだらん作家気取りの映画よりもこういう問答無用で面白い「活劇」の味方でありたいと私は思う。
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