コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] さよなら。いつかわかること(2007/米)

家族が寄り添えば、おもちゃの家でも、本物の家になるという逆説
moot

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







あるいは、社会通念上の「父親」的な殻を捨てるほどに、むしろ、家族が求めていた父親に近づくという逆説。

家族だから寄り添うのではなく、寄り添うから家族なのだということ。そして、家族が寄り添えば、おもちゃの家でも、本物の家になるということ。

愛する妻を失なった男は、仕事を休み、畑を荒らし、娘とタバコを吸い、、、という具合に、社会通念上の「いわゆる父親」という殻を、徐々に脱ぎ捨てていく。けれども、そんな「父親らしくない振る舞い」は、娘たちにとって、実は得難い「生身の父親との触れ合い」でもある。「いわゆる父親」としてではなく、ありのままの一人の人間に立ち戻ることによって、はじめて父親は、娘たちに、母親の死を伝えることができた。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)3819695[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。