「嘘から始まることもある」。子供映画に見せかけて、実は嘘に囲まれた生活送ってる人たちの方が心に沁みるのでは、なんて思ったりする。人生を楽しく前向きに送るための秘訣がつまった、珠玉のおとぎ話。知識詰まった頭の発達した子供ほど本当はロマンを求めてるってのが、またいいねぇ。２人とも屈折してるし、レインはよく泣くし。でも流した涙もすぐに乾いていつの間にやら笑顔になってる、そんな爽やかさが映画全体の雰囲気にふさわしい。

どこまでも計算されたウマさなのに、鼻につかずにさり気ないのがさすがロイ・ヒル。観客が余韻を味わう余地もちゃんと残しておいてくれてる作りが、何とも映画的だなぁ。一見いかにも舞台的で作られた演技してるようなオリヴィエが、あの役柄ならそれも納得っていうのがまた心ニクいし、映画全体のアクセントにもなっている。悪者っぽい浮気性のお母さんも、結局はできた夫に手綱を握られ、最後には観客に何もしこりを残さない。それぞれの生活に問題アリの主役２人も、泣き事めいた安易な愚痴を言わないから、こちらが察してあげなくちゃってつくりになってるし。ん〜、いろいろ考えれば考えるほどよく出来た映画デス。小品だからってバカにしてはいけませんよ、コレは。