[コメント] 純喫茶磯辺(2008/日)
屈折した世界の報告者である仲里依紗もまた女子高生らしい屈託した視点から報告しているという捻くれ加減が絶妙で、ギャグとシリアスの垣根が無くなる瞬間がある。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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濱田マリにもう訪ねてくるなと云われる件、ゴミをまとめながら突然に麻生久美子の美点に気づく件などがいい。一本気な正しさの希求が不意にかわされ、現状を肯定しなければならないんだという気付きが、閉鎖された喫茶店を愛おしく覗きこむ件に繋がっている。宮迫博之も含め、冗談みたいな連中が生活者として立ち現われる。後半息切れするギャグ映画が多いなか、ギャグをシリアスに捉え直して成功しており、佳作と思う。
記憶に残るのは麻生のバカ女振りで、ギャグ映画がシリアスに転じるのは麻生が殴られ黒い鼻血を垂らす瞬間だが、それ以降も存在がギャグでもある。ギャグ映画は本来シリアスなものだと思う。
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