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[コメント] ガンマー第3号 宇宙大作戦(1969/日=米)

2001年宇宙の旅』は確かに素晴らしい。だが余りにも「冷たすぎる」宇宙だった。この、深作宇宙の熱いことといったら!
荒馬大介

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 深作映画でSFというと『宇宙からのメッセージ』があるが、元祖はこちら。キャストは外国人、主要スタッフは日本人という異色作で、しかも全編オールスタジオ撮影。スタジオ内に大規模なセットをこしらえているので、まあ金はかかっているようだ。特撮は……さすがに同年『2001年宇宙の旅』というどデカい映画があるので比べてしまうのも悪いが、どちらかというと一昔前の映画のよう。しかし一つ一つのメカ描写は決して手を抜いてはおらず、その辺は好感が持てる。ガンマー3号のドックにゆっくりと進入してくる宇宙ロケットの場面なんか、結構いいシーンだと思うのだ。同年のムーンライトSY3もいいが、この辺の地味ながらも仕事している映画も何か外せないんだよね、健気で。

 まあメカはともかく、一番印象に残るのはモンスターか(通称フローラ・モンスターと呼ばれるが劇中では使用されず)。不定形のドロドロが一つ目の触手モンスターになるというのはさておき、このデザインだと怖いというよりちょっとコミカル。これが集団でテクテク歩いてくるというのは……。まあ映画の「一昔前」的な雰囲気には、物凄くリアルなのよりはこういうのがあっているかな。ちなみにこの中の怪物の一つを、『大巨獣ガッパ』で「いけない!ガッパ怒る!」と叫んでいるあの少年が演じているという衝撃の事実が判明。理由は「怪獣が好きだったから」らしい。

 それにしても、ランキンとエリオットが仲違いした理由は? 映画の雰囲気からすると、どうも女性ルイズが絡んでいるようである。おそらくは、名コンビだったランキンとエリオットが同じ様にルイズに惚れるが、彼女はどちらかというと冷徹なイメージのあったランキンから離れ、どちらかというと情に厚いエリオットを選んだのだろう。居場所が無くなったランキンは自然とルイズ、そしてエリオットからも離れていき、いつしか疎遠になったのではとも推測されるが……どうなんですかね、その辺?

(評価:★3)

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