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[コメント] 闇の子供たち(2008/日)

以前、テレビ番組でタイの大人たちは皆一様に右脇腹に縫合跡があるのを見た。タイ国民の貧困層では当たり前のように腎臓などの臓器を売って生活しているんだ、と現地の男は自分の傷跡を自慢げに見せながら言った。本作では、NPO法人側に、設定として子持ちの人物は登場しない。このことが当該問題の難しさを示している。
IN4MATION

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







原作既読。

幼児売買・臓器売買よりも幼児売買春がウエイトを占める原作の作りとは若干異なる。

原作は僕たちの無力さを感じさせ終わることの無い連鎖を書いているが、映画ではそれは余りに救いがないと感じたのか、一応の解決を見せる。

南部の幼児性愛癖と彼の死という原作には無い妙に気持ちの悪いおまけ付きで。 この点、非常に蛇足で不快な終焉。改悪というほか無い。

人身売買。テーマはとても重い。『題名のない子守唄』・『セックス・トラフィック』同様のテーマだけど、「幼児」となるだけで重さは倍増。

臓器売買の度に、幼児が人知れず生きたまま解体されて捨てられている現実はやっぱり重い。

原作でも意図してのことだろうけど、NPO法人側の人に「設定として子持ちの人物」は登場しないんだよね。。。

多分、親としての立場を描こうとすると、難しいからね。。。

原作では、なぜか恵子だけが毎回「音羽恵子」ってフルネーム表記なんですよね(笑) 他の人はみんな2回目以降、姓や名だけだったりするのにね(笑)

活字よりも映像のほうがエログロは薄れてましたね。

想像を超える映像は無理なんでしょうか?

ひたすら無力感が漂う後味の悪い映画でした。

原作で伝えたかったことは、映画でもちゃんと伝わってるのかな? 甚だ疑問。

(評価:★2)

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