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[コメント] ウィンダミア夫人の扇(1925/米)

ジェントルな気品漂う洒脱なサイレントワークが見物のSO-SO作品
junojuna

 去りゆく人々の背中の描写に無常観をたたえて画で語る映画の醍醐味を際立たせる手腕は見事なルビッチである。ただテンポの悪さが目立つという点でストーリーテリングの躍動感が生まれていないのは残念で、女優陣のサイレント期特有のメーキャップは素直に美しいとは言いがたい誇張の表現に、現在からこの映画を評価するとすればあくまでも歴史的な秀作と言わざるを得ない。ジャンル・サイレント映画はサイレントでなければいけない理由を見出すことができてはじめて世紀を跨ぐ傑作となる。時代の技術的制約ではなく映画の本質に迫る強度こそをその評価の軸として今一度映画を見直したい。

(評価:★3)

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