[コメント] イントゥ・ザ・ワイルド(2007/米)
彼の最も望まなかったことは、自分の体験が映画化されることではなかったろうか。
「ふう〜〜ん。」というのが率直な感想。「そういう奴もいたんだなあ。」という。彼のような生き方をしてみたいとも思わないし、所詮自分には真似できないけれど、そこはかとなく憧憬を感じる、てな思いもない。彼の選んだ生き方を馬鹿にするつもりはないし、その勇気と純粋さには敬意を表するけれど、近所の餃子屋さんの店主や、床屋さんの理髪師らに感じる以上の特別な感慨はない。彼の台詞にもあったように、人生のあらゆる局面は、新たな発見と思いもよらぬドラマに満ちている。
別のところにも書いたことだが、世界中のすべての出来事を、映画という網で掬い取ろうといった試みには、どこまでも映画の版図を広げようというような、(映画)帝国主義的な姿勢を感じてしまう。この世には、映画にできない、映画にし得ないフィールドがある。別にそれでいいと思う。
75/100(09/02/01見)
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