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[コメント] 恐喝こそわが人生(1968/日)

相変わらず、というか、この当時でも既に、ハンディカメラとストップモーションを使い倒す。これが見事なものなのだ。また、松方弘樹のナレーション挿入のテンポも良く、オープニングからアヴァン・タイトル、クレジットバック辺りまでは本当にいい調子だ。
ゑぎ

 冒頭から「東京流れ者」のハミングや物悲しい口笛を使うのだが、タイトルバックの音楽を使って、もっと軽快な調子を継続させれば良かったんじゃないかと思う。

 松方弘樹、佐藤友美室田日出男城アキラ(若きジョー山中)の4人の恐喝チーム。ボクサー出身で「ゼロ戦」というニックネームの山中のイキがいい。浜辺を2台の赤いオープンカーで疾走する場面、4人ではしゃぐ場面など、スピード感のあるカットがよく撮れている。これらのシーンも含めた、松方の回想で入るモノクロのフラッシュバックもスピード感を阻害しないのだが、ちょっと多用し過ぎだとは思う。

 終盤の案件(というかターゲット)の黒幕で丹波哲郎石山健二郎の2人が出てくるが、丹波がほんの数カットしか出てこなくてこの存在感、というところが流石。また、石山を誘拐するシーンの、車の中で見せる佐藤友美の笑顔が本作のベストショットだ。そしてラスト、当時の日劇前交差点でのゲリラ撮影と、コントロールされたモブシーンは勿論大きな見どころだ。

(評価:★3)

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