このシリーズのテレビ版は何度か拝見していましたが、果たして映画として成立するのか？というのがいつも課題になりますよね。

そういう意味では、ぎりぎり映画として成立していたのかも？しれない、という感じの映画でしたね。

『ガリレオ』のドラマをこの映画に置き換える、というのはある意味興行的に必要であって、必ずしもこのキャストで演出されなければならない、という映画ではなかったと思います。

特に堤真二さんの好演は光ります。

彼の寡黙な演技がこのドラマの中心であって、それをツールとして補っているのがこのドラマです。

生きる喜びを失った人が、不可抗力で犯した罪を自らの意志で補おうとする姿は、今の社会でなかなか失われたものですし、いかにも現実にありそうな感じもするのですが、どうももともとのドラマの軽さを意識していたせいか、映画としての迫力を欠いていたような気もするんですよね。

「献身」というタイトルから、話の筋を追いかけてゆくうちに、ほぼ先読みできてしまうという面もありますが、役者の好演には目を見張るものがありました。