[コメント] 東南角部屋二階の女(2008/日)
今の時代の若者の雰囲気を上手く捉えている。構成としては、老人組と若者組が有り、前者の物語で後者が‘本来の自分を取り戻す’という形だが、どうも感動が薄い。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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その理由を考える前に、藤子さんが歌う童謡「かなりや(大正7、詞:西条八十)」をみてみる。
「一番:歌を忘れた金糸雀(かなりや)は 後ろの山に 棄てましょか いえいえそれはなりませぬ」 そして 「二番:埋(い)けましょか」、「三番:鞭でぶちましょか」、と続き 「四番:歌を忘れた金糸雀(かなりや)は 象牙の船に 銀のかい 月夜の海に浮かべれば 忘れた歌を思い出す」 と、希望の唄に変わるのだ。
が、藤子さんはこの三番までで歌を止めてしまう。あの二階から見ていた恋を思い出すことを止めたのだ。諦めたのだ。 この恋が、あの部屋に小ダンスだけを残した彼女の心が、余りに切ない。
この感動が大き過ぎて、最後の若者たちの話―自分を取り戻す―が希薄になってしまった。
香川の熱演も有り、この恋を薄めるとかの処理は、脚本家自身もましてや新人監督の池田にはどうすることも出来なかったと推測する。
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