[コメント] ホームレス中学生(2008/日)
ただ生きてゆくこと、皆との間で生かされていることを思いながら生き続けてゆくことの価値を知る少年の輝き。揚げたてのコロッケ、紅生姜と七味と卵のたっぷり乗った牛丼、そして具のない握り飯が、生きてゆくための糧の領域を超越して神々しいまでに美しく見える。それらは紛れもない、人間が作ったものだから。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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それぞれに、帰る場所を失ったかに見える少年を取り巻く老若男女たちは、最後の最後に優しさを見せる。父親でさえ憎むべき存在でありながら、不器用な優しさは持ち合わせているのだ。少年(と敢えて言う。小池徹平だからといってこの物語の中では飽くまで中学生なのだ。それを意識させない演出は、やはり優れている)の悲惨はむしろコミカルに味付けされており、母を思い兄姉をいとおしむ心のほうがむしろウェットだという塩梅はほど良く、心を洗われる。
しかし池脇千鶴は、こういう悲惨な役のほうが輝くと今更ながら実感させられる。
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