[コメント] ワイルド・バレット(2006/独=米)
『コラテラル』にも匹敵する素晴らしい「夜」の映画。
極端に早いカッティング、ズームアップなど今の主流を取り入れながらも、驚くほど引き締まった画面の質感に唸る。黒沢清はトム・スターンのカメラを「都市の裏側で起こる小犯罪を描くのに最適」と『ヒアアフター』評の中で記していたが、本作のジム・ウィテカーの撮影もそれに近いものがある。一つの銃から次々と連鎖していく展開は映画らしい荒唐無稽に溢れており、物語より画面を信じるその歪さは大いに好ましい。
ウェイン・クラマー、アントワン・フークア、ジャウム・コレット=セラ・・・「作家性」などクソ食らえと言わんばかりにただひたすら映画の面白さのみを追及する。B級映画の活劇精神はこうした連中にこそ受け継がれているのかもしれん。
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