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[コメント] センター・オブ・ジ・アース(2008/米)

内容は2点だけど3D映画としての娯楽性に3点[ワーナー・マイカル・シネマズむさし野ミュー.08.11.02]
TOMIMORI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







3D映画を見るのは今はなき新宿の高島屋にあった東京アイマックス・シアターで2本立ての立体映画(名前も忘れた)を見て以来だ。アイマックスのはごついゴーグルを頭に装着して見たものだが、この映画はなんの変哲もないサングラスなので拍子抜けした。立体メガネなんて今さら進歩しないと思っていたのでこれは驚いた。

おまけにこれは持ち帰っていいのが嬉しい。ちょっとダサいけどサングラスとして使えなくもない。柄の部分に"REALD"なんて印字されているのがなんだかオシャレ。ひょっとして?と思い、いそいそとサングラスかけて公式ページを見渡したけど、立体に見れるページはないみたい。予告編ぐらい立体仕様にすればいいのに。

あと、僕の行った「ワーナー・マイカル・シネマズ むさし野ミュー」というところは、客席にかなり傾斜がつけられており、前の人の頭がまったく気にならなくてよい。これはアイマックスを習ったのだろうか。画面に集中できていいぞ。

さてさて肝心の内容ですが、ブレンダンフレイザー演ずる科学者と甥と女ガイドがアイスランドからイタリアにワープするだけのお話なので、はっきりいってつまんないです(きっぱり)。謎解きもへったくれもない、強制横スクロールの初期のファミコンゲームを眺めているみたいでした。

それでもやっぱり3Dだから許せるんだよね。3Dの何がいいかって、迫力満点の立体感は勿論なんだけど、今までの2D映画では通常しないような表現が見られることで、例えば、うがいをした水をカメラに向かって吐いたり、ヨーヨーをわざわざこっちに向けたり、いかにも3Dでございっていう演出がとても新鮮で、次は何やってくれるんだろうという楽しさがある。

モノの立体感を認識できる楽しさの他には、モノの素材を実感できる楽しみもあるだろう。気体は気体として、液体は液体として、固体は固体として実感できるのだ。立ち込めた霧のモクモク感や、食肉植物?が出すスライムのネットリ感や、竜神池の岩石の重量感など、立体だから出せる存在感は2D映画では得がたい魅力だ。あと、個人的には懐中電灯の光まで立体的に浮かんだことはちょっとした発見だった。

でも(これは僕個人の問題なのかもしれないが)、困ったことに立体的な絵に感嘆するあまりストーリーが全く頭に入らないんだよね。主人公が亡き兄貴の残した手がかりについてあれこれ推理しているんだけど、そんなことより周りにあるモノの立体感を確認することに夢中で、全く頭に入ってこないのだ。

思うに3D映画はあまり複雑な話には向いてないような気がするのだ。この映画のようにほどほどのストーリーを織り交ぜつつ、3Dならではのイベント(ジェットコースタートロッコ、竜神池、恐竜と鬼ごっこ)に導けばいいのだと思う。逆に複雑な話ならわざわざ3Dでやる意味がないとも言える。でもまあ「3Dだからこれぐらいの内容でええんちゃう?」という具合に、3Dの上に胡座をかかれても困るわけで、絵面を重視しつつ内容にもこだわって欲しいものだ。そんなわけで、ストーリーとしてはイマイチだけど、3D映画としてはほぼ満点でしょう。

ちょいと言わせてもらうと、せっかく3Dなんだからすべてパンフォーカスにすればいいのにと思う。人物だけにピントを合わせて背景をボカすというのは2Dで立体感を出す為に行われている手法だと思うので、3Dではそんなことをしなくてもいいハズなのだ。

あと、トロッコのシーンでせっかく観客がジェットコースターに乗っているかのような気持ちになっているのにいちいちギャースカ言っている人物にカメラを切り替えないで欲しい。特にトロッコが急角度で落ちる場面は、お腹がヒヤっとするいいところだったのになあ。あそこはずっとレールを映しっぱなしでも構わないのだ。通常の2D映画のクセが抜け切れないんだろうね。極端なことを言えばトロッコがジャンプするシーンなんてジャッキー映画よろしく3回ぐらいリピートしてくれてもいいぐらいだ。

あ、そうそう、あとヒロインはもっと巨乳にしてください。せっかくの3Dなので。 でも吹替えの矢口真里は非常によかったですね。テロップ出るまで気がつかなかった。 沢村一樹はいまいち。入江甚儀は最初の方の棒読みが気になった。後になると慣れたけど。

まあそんなこんなで封切り映画なんて見るのは約3年ぶりぐらいなわけなんですが、そんな不精者の私でさえ劇場に導いたというのは結構凄いことです。おそらくそこそこ面白そうな3Dがまた公開されたら見に行くでしょう。3Dの強みはなんといっても劇場に行かなければ見れないということですからね。

今後、以下のようにスピルバーグ、ジェームズ・キャメロン、ティム・バートン、ロバート・ゼメキス、ピーター・ジャクソンといった監督たちが新作を3Dで公開するらしいのだが彼らがなぜ3Dにこだわり始めたかと言えば、僕のようなDVD許容派を劇場に呼び戻す為なのかもしれない。

参考)今後の3D映画上映予定(カッコはすべて全米公開予定日)

ほとんどがCGアニメなのが残念だなあ。今後ますます3D映画が増えてくるのであれば、ジャンルに[3D]を追加してもいいかもしれない。

ベン・スタッセン監督のCGアニメ『Fly Me to the Moon』(08年8月22日)と『Around the World in 50 Years 3D

アンソニー・レオンディス監督のCGアニメ『Igor』(08年10月17日)

クリス・ウィリアムス監督のCGアニメ『BOLT』(08年11月26日)

ジェリー・ワイントローブ監督の実写犯罪スリラー映画『Scar』(08年)

トーマス・ジェーン監督の実写スリラー映画『The Dark Country』(08年)

パトリック・ルシエ監督の実写映画『My Bloody Valentine 3-D』(09年1月)

デヴィッド・R・エリス監督の実写映画『Final Destination 4』(09年1月)←見たい!

ヘンリー・セリック監督の人形アニメ『Coraline』(09年2月6日)

ロブ・レターマンコンラッド・ヴァーノン監督のCGアニメ『Monsters vs. Aliens』(09年3月27日)

カルロス・サルダーニャ監督のCGアニメ『アイスエイジ3(Ice Age3)』(09年7月)

ホイト・イェートマン監督のCGアニメ『G-Force』(09年7月24日)ジェリー・ブラッカイマー製作

ジョン・ラセッター監督のCGアニメ『Toy Story』(09年10月2日)と『Toy Story2』(10年2月12日)を2D⇒3Dに変換

ロバート・ゼメキス監督のCGアニメ『クリスマル・キャロル3D』(09年11月6日)パフォーマンス・キャプチャーによるCGアニメで、ジム・キャリー、ボブ・ホスキンス、コリン・ファース、ゲイリー・オールドマン、ロビン・ライト・ペン 、トム・ハンクス、マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド出演とか。

ピーター・ヘイスティングス監督のCGアニメ『How To Train Your Dragon』(09年11月20日)

ティム・バートン監督の人形アニメ『Frankenweenie』(09年12月) と『Alice in Wonderland』(10年)

ジェームズ・キャメロン監督の超リアル?CGアニメ『Avatar』(09年12月18日)

トニー・リーチ監督のドキュメンタリー映画『Escape from Planet Earth』(09年)

カシミール・レートサミ・ラティネン監督の『2012』(09年)

クリス・サンダース監督のCGアニメ『Crood Awakening』(09年)

デビッド・バワーズ監督のCGアニメ『Astro Boy』「鉄腕アトム」のフルCGアニメ(09年)

CGアニメ『Master Mind』(09年)

Howard Hall監督のドキュメンタリー映画『Under the Sea 3D』(09年)

マイク・ミッチェル監督のCGアニメ『Shrek Goes Forth』(10年5月)

リー・アンクリッチ監督のCGアニメ『Toy Story3D』(10年6月18日)

CGアニメ『Puss in Boots』(10年)

ドキュメンタリー映画『Hubble 3D(仮題)』(10年)

スピルバーグピーター・ジャクソン監督のCGアニメ『Tin Tin』「タンタンの冒険旅行」が原作

グレッグ・マクギリブレイ監督の『グランドキャニオン・アドベンチャー

Star Wars』エピソード4・5・6・1・2・3の順で、毎年1作再公開予定

ドルフィン&ホエールズ

ワイルド・オーシャン

LOTR trilogy』←噂?

King Kong』←見たい!

Interworld

Punk Farm

(評価:★3)

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