[コメント] バンク・ジョブ(2008/英)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ジェイソン・ステイサムの泳ぐ姿は(ほんの一瞬しか映らないが)隠しようもなくフォームが綺麗である。水泳の飛込競技で元英国代表チームのメンバーだったという話は本当なんじゃないか。
それはともかく。謎の多い「ロイズ銀行収奪事件」の背景には英国王室のスキャンダル案件が潜んでいた!だけでなく、同じ時期に表舞台から姿を消した、「イギリスのマルコムX」(を目指していたという)マイケルXもそこに絡んでいたというのだから内容盛り沢山のベースト・オン・トゥルーストーリーだ。そこにさらに、当時のロンドンの闇社会の帝王で、表向きはポルノ映画監督をつとめる人物まで関係してくるという、これだけの諸要素を上手に整理整頓している演出の力量がまず凄い。どこからが虚構でどこまでか真実なのかを明らかにするだけで、様々な方面にハレーションの起きること必至!な内容を上手にまとめていると言うほかない。
実行犯グループであるテリー(ステイサム)一味がもっともフィクショナルに描かれているのだろう。でも、ロンドン市警が送り込んだ偽の救急車は、ロイズ銀行の前にも停車したのに、それが彼らの話題にのぼらなかったのは、エディ(見張り役)がトランシーバーを落っことしてたから、なんてえのは、とても真実味があるとしか思えない。彼らメンバーを魅力的に描けたことが、本作の失敗する要因を最小限に抑え得たのだと思う。
MI5の上官や、ドMの性癖を写真に撮られた政府高官らを、決して嘲笑一辺倒に描かない「バランス感覚」も優れていたのだと思いまんもす。
22/10/16記
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