[コメント] 悲夢(2008/韓国=日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
最初にお断りしておきますが、この映画自体は特に掘り下げません。 申し訳ないんですが、コントにしか見えなかったもんで。 いや、楽しんだんですよ。ウヒウヒと。 草むら4人のシーンなんてギドク劇場全開で楽しかった。
私には「観ていて嫌になる話ばっかなんだけど何だか気になる映画監督」が三人います。 キム・ギドク、ラース・フォン・トリアー、ペドロ・アルモドバル。 好きか嫌いかと問われれば、「微妙」と答えます。
彼らには共通点が多いように思います。
まず、頭がオカシイ(笑)。 いや、頭がオカシイ監督は他にも大勢いるんですがね、デヴィッド・リンチとかさ。 彼らは、決まって観ていて嫌になるような話を作る。一般的な「道徳観」を逆撫でする。 いや、これまでも「道徳観への挑戦」を好んだ監督はいたんですがね、パゾリーニとか大島渚とか。
この三人は、道徳観を逆撫でした挙げ句、「これが純愛だ!」と言う。 しかも、もう一般人たる観客に「特殊な設定」をすんなり飲み込ませる気がない。 いきなり通りすがりの女にチューしたり(『悪い男』)、舞台みたいなセットのみで話を展開したり(『ドッグヴィル』)、陰部の巨大なセット作ってみたり(『トーク・トゥ・ハー』)。 そして「これが純な姿だ!」と言う。
もう嫌だ。「純」なものがそんなに気色悪いなら、俺はもう嫌だ。
ところが奴らの卑怯なところは、「巧い」んだな。 嫌なストーリーなんだけど、映画としては面白いんだよ。
うん、この映画も面白いよ。 だいぶ免疫ができたおかげもあるけど。
以上、白黒同色。十把一絡。
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