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[コメント] 大自然の凱歌(1936/米)

紛れもなくハワード・ホークスの映画。素晴らしい映画的空間は全てホークスの刻印。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 少々展開が粗っぽいのと後半のフランシス・ファーマーの性格付けに一貫性が 無いのが難点ではあるが、しかし素晴らしいシーンに溢れている。そしてこれは 紛れもなくハワード・ホークスの映画だ。前半のダイナミックな巨木の伐採 や川への搬出シーン、酒場でフランシス・ファーマーの登場から銀盆の投げ 合いへと続く濃密な空間描写、中盤から後半にかけてもウォルター・ブレナンが手風琴で伴奏する合唱シーンやキッチンでの飴騒動など、素晴らしい映画的空間は、全てホークスの刻印。また、この映画でもホークス作品の多くで扱われる「老い」がテーマになっている。

 逆に、ウィリアム・ワイラーの演出だとはっきり判別できるのは、ラスト近くでエドワード・アーノルドジョエル・マクリーが争うチンケなシーンぐらいのもの。このアーノルドがマクリーの頬をビンタするカットはまるで頬を撫でているようで、全く興醒めなのだ。今更ながら、ホークスとワイラーの演出力の相違に愕然となってしまう。

#主題歌「オーラ・リー」はプレスリー「ラブ・ミー・テンダー」の本歌。

(評価:★4)

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