[コメント] ウォッチメン(2009/米)
胸糞悪い話だ
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「ダークナイト」の青臭い正義が気に入らなかった自分としては、この胸糞悪さが爽快だ。様々な方法でヒーローをコケにしている。これは、観客が普段感じている、ヒーローものに対する揚げ足取り的ツッコミだ。「それを言ってはおしまいだ」と思っては心の中に封じ込めてきた不満を、この映画ではこれでもかというほど実演してくれる。コメディで茶化すことはよくあるが、この映画ではそれを大真面目にやっている。当然、胸糞悪くなる。
結末なんて最悪だ。我々観客が密かに思ってきたこと「どうして目の前の少数を救うために多くの人々を危険にさらすんだ?」、「そう都合よく悪党の企みが防げるかよ」、「正義が勝って悪が負けるとは限らないだろ」、「青臭いことばかりやっていても、良い結果にはならない」。それを実演したのがこの結末だ。「多数を救うために少数を犠牲にする」という正義の基本に則り、大虐殺を実行するヒーローに、それを止められないヒーロー。青臭い正義を振り回した挙句、酷い殺され方をし、さらに、多くの犠牲を払って実現した世界平和をも危険にさらすヒーロー。
「どうだ?こんなヒーロー見たくないだろ?余計なツッコミは入れるものじゃない」 ということだろう。 しかし自分は「ダークナイト」よりもこっちの胸糞悪い映画の方が好きだ。そもそも自分はヒーローものの観客に向いていないのかもしれないということが、この映画のおかげでわかった気がする。
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