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[コメント] むかしの歌(1939/日)

花井蘭子藤尾純のいい距離取った関西弁の丁々発止がメロドラマを乾いたものにしており、時折現れる水のイメージがどれも素晴らしい。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







冒頭の母親とともに町屋を進むキャメラからしてもう実力は明らかで、川に映るふたりのショットなど絶品(ふたりが映るまでの長い間が素晴らしい)。ふたりが橋のうえで少女から風車を買う件も美しく、ここから以降は怒涛の展開、冴えまくっている。育ての親を背中に独立する彼女は実にハードボイルド。

没落武士と商人の関係、及び没落武士と西南戦争について、とても明快に示されてあるのも優れている。助監督は市川崑、大いに影響を受けたに違いない。

(評価:★5)

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