最近のコメント 10 |
★3 | バビロン(2022/米) | デイミアン・チャゼルにはシャレっ気というものがない(ジャズ好きのくせに)。引き算がない。強引で大仰なだけのハリウッド地獄ツアーに連れ回され、疲れた。映画創成期のあれこれ、黒人音楽家のサブストーリーはいい。しかし最後のゴ***はスベっている。 | [投票] |
★4 | イニシェリン島の精霊(2022/英) | 「内面」などというものとは無縁だった男どもが、突然それに直面してうろたえる。「はじめての一年生」のように。その痛々しいまでの武骨ぶり。ギザギザばかりの風景描写も良。ようは『ライアンの娘』の男性版なのだが、結末は正反対。やはり男はバカなのか。 [review] | [投票(5)] |
★3 | TENET テネット(2020/米) | 異なる時間軸に属する「時間」が同一画面上を流れているのが、ちゃんと「見える」。その高度なエンジニアリング(ノーランの場合この言葉を使いたい)には脱帽するも、奇矯な外見を取り払ったら何が残るのだろう。コワモテのわりには幼稚な感じがするのだが… | [投票(1)] |
★4 | 喜劇 愛妻物語(2019/日) | 日本映画に貧乏くささが帰ってきた。かつての可愛げは卑屈へ、包容力は言葉の暴力へと変っても、底に流れるものは変わらない。それがいいことなのかどうか知らないが。最初から「喜劇」と銘うって、くたびれた赤パンツはあざとい。しかし抵抗するのも難しい。 [review] | [投票] |
★4 | アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017/米) | 「底辺娘どたばたフィギュア戦記 〜血煙り純情篇〜」。ヤサグレた態度の裏に、痛いほど何かを切望する可憐さが潜んでいる。これを観て、あ、私だ、と思ってハハハと笑った人は結構いたんだろう。なら、アメリカは悪い国ではない。良い国かはしらない。 [review] | [投票(5)] |
★3 | ブラック・クランズマン(2018/米) | 予想していたよりは楽しかったが、しかしどことなく教師の作った映画という印象を受ける。スパイク・リーは若々しく、自分の頭の良さを社会に対してどう用いるかにも自覚的(少しだけゴダールに似ている)だが、それがおもしろい映画を保証するわけでもない。 [review] | [投票(5)] |
★4 | 運び屋(2018/米) | 何かが終わってしまった気配は濃厚にある。誰もがこわごわゆく「その後」の地雷原のど真ん中を、当人だけはスタスタ歩いて、しかも一番大切なものはちゃんと最後まで待っていてくれる。ご都合主義? いや、ホラ話なのだ。それがご愛嬌というものなのだ。 [review] | [投票(9)] |
★4 | 嘆きのピエタ(2012/韓国) | 韓国人よ、なぜあなたの愛はかくも容赦無いのか。艶めかしいのか。そして憎しみに似るのか。資本主義にも人倫にも背を向け、すべてを焼き尽くす。そして赤だけが残る。始源と哀しみの色だけが。 | [投票] |
★3 | 加藤隼戰闘隊(1944/日) | 山本&円谷コンビは前作に続き邦画らしからぬ格好良さを実現。本物の凄味漂う空中戦。爆音。コーヒー・サングラス等の小道具も粋。にしても昔の軍人たちの声の甲高さは一体何だあれは…。 | [投票] |
★3 | 大魔神(1966/日) | 高度経済成長にあぶれた人々のルサンチマンをインテリとは真逆の地点から救済しようとすればこうなるのだろう。奥行と落差のあるセットや森の木漏れ日が素晴らしく、高田美和も可愛い。 | [投票(3)] |
最近のあらすじ 5 |
★3 | バビロン(2022/米) | ハリウッド・1926年。砂漠の豪邸の大パーティー。メキシコ人青年マニー(ディエゴ・カルバ)は雑用係として走り回っている。勝手に入り込もうとした女優志望のネリー(マーゴット・ロビー)を機転を利かせて入れてやり、二人で意気投合する。夜半、今夜の主役にして業界の主役、ジャック・コンラッド(ブラッド・ピット)が、おもむろに玄関先で二人目の妻を離縁したうえで姿をあらわし、乱痴気騒ぎは佳境を迎える――。朝。目立ちまくっていたネリーは、この日撮影開始の端役を手にする。泥酔したジャックに気に入られたマニーは彼の助手となる。二人は天性の才能と努力で創成期の映画業界を駆け上がっていくのだが・・・。[185分] | [投票] |
★4 | 喜劇 愛妻物語(2019/日) | 売れない脚本家・豪太(濱田岳)の年収は50万。パートで家計を支える妻チカ(水川あさみ)の不機嫌は頂点に達し、夫を雑魚呼ばわり。昼間から酒に手を出し、アル中も疑われる。セックスなど論外だ。しかし豪太は朝からチカのくたびれた赤パンツにへばりつき、怒りを買う。そんなある日、豪太は旧知のプロデューサーから以前出した企画を形にするよう求められる。ただし取材費はゼロだ。運転免許のない豪太はチカに運転手役を頼み込み、5歳の娘も連れ、四国への取材旅行兼家族旅行を敢行する。豪太には下心があった。旅先なら妻は自分を受け入れてくれるのではないか、という…。監督自身の夫婦生活を題材とした小説を自ら映画化。[115分] | [投票] |
★4 | カーネーションの卵(1991/伊) | 夕暮れ時の花びらの上に芥子粒ほどの大きさのものがあったら、それはカーネーションの卵なのだ。それを見つけたらどんな願い事も叶うという―。第二次大戦末期の北イタリア。山腹の家に住むシルヴァーノら6人の子供たち、両親、祖母。ファシスト党が勇ましくパレードを行って子供らも黒シャツ姿で参列するが戦争は敗けそうで、ムッソリーニが失脚してバドリオ政権が発足するがドイツ軍が侵攻してきたので宣戦布告し、人々が銃殺され北中部は内戦状態になって、連合軍がパラシュート降下して、それからドイツは逃げて、パルチザンが復讐して、最後にアメリカ軍がやってくるまでの混乱と悲惨を子供の視点から描くアゴスティの自伝的作品。[カラー] | [投票] |
★3 | マクナイーマ(1969/ブラジル) | アマゾンの密林に響く産声。老婆から生まれた中年の黒人にしか見えないその赤子はマクナイーマ(グランデ・オテロ)と命名される。生まれついての怠け者で、初めて言った言葉は『面倒くさい』であった。美人の兄嫁と森で乳繰り合い兄を激怒させたり、荒野に捨てられたりしているうちに母親が死に、二人の兄と都会へ向かうことにする。その途中、不思議な泉の水を浴びた彼は、なんと男前の白人(パウロ・ジョゼ)に変身してしまった!そしてやってきた大都会。そこには美女とめくるめく冒険の日々が待っていた…。『モンティ・パイソン』×『エル・トポ』?ブラジル版ヌーベル・ヴァーグ「シネマ・ノーヴォ」のカルト作品。[カラー] | [投票(1)] |
★3 | 故郷(1937/日) | 東京の大学を出た喜多子(夏川静江)は信州の田舎へ帰ってくる。しかし都会の風に染まった彼女は周囲から浮き上がる。卒業証書を有難がる母は家業の手伝いもしない娘を腫れ物に触るように扱い、彼女は増長する。兄・堅太郎(坂東簔助)は妹を学校へやるため田畑まで売ったのだが、今は彼女の軽薄ぶりが許せない。一方、堅太郎の友人で小学校で教える彦太郎(丸山定夫)はある生徒の父兄の機嫌を損ねる。その父兄は喜多子が教職の勤め口を依頼している県会議員で、しかも喜多子の弟は彦太郎のお気に入りだったから彼女の就職が上手くいく訳はないのだった。ある日、喜多子は兄から厳しく叱責され、つくづく故郷が嫌になる。[84分白黒] | [投票(1)] |