[コメント] 消されたヘッドライン(2009/米=英)
よくできた話だなあ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
よくできた話だと思う。細かな点はともかく、話の大筋において矛盾はないし、前半に与えられた手掛かりからは観客が想像し得ないような、エピソードや要素を終盤になって持ち出してくるといったズルっこもない。近頃のサスペンスを装う作品はこんなのばかりであることを思うと、ミステリーの定跡をきちんと踏んだこの作品は、高く評価されてしかるべきだ。皮肉なのは、出来すぎた、てな軽い表現では物足りないくらいよくできたこのストーリーによって、かえって映画の現実味が損なわれていることである。端的に言って、これは記者人生に一度あるかないかの大スクープだと思う(ラッセル・クロウも「命を賭けているんだ」と言っている)。事前に裏を取って集めた情報と、最後に得た議員の証言もきちんと辻褄が合っている。にも関わらずこれが当の議員の仕組んだ罠だったというのは、それこそ記者が2回人生を生きてもあるかないかの大珍事ではないか。通常の誤報事件は、死んだ元民主党・永田議員のガセメール事件などでもあるとおり、ほとんどは裏をきちんと取ってないことから生じる。それほどのことが起きた、というのに、さらに翌日朝刊の締め切りに間に合うタイミングで、真実が暴かれ、フロント記事の差し替えが可能だったのだ。
一流どころの役者陣が勢揃いし、華やかな作品になっているが、これ、そもそもネタとしてはB級映画のそれなんだろうな。
80/100(09/09/13見)
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。