最後の「ラム・ジャム（ダイビングヘッドバッド）」のなんという無様さ。だのにそれが美しくて切なくてたまらない。

三沢と重ねるのはあまりにセンチメンタルに過ぎるが、三沢の中にランディがいなかったとも思えず‥‥。生き死にの狭間に身を晒すことで得られる陶酔感は、確実にその当事者を現実から乖離させる。戦争経験者が退役後に感じた虚無感と同様のものなのか。プロレスラーという人種のありのままを描いたこの作品に今出会えたことに何がしかの巡り合わせを感じる。

ミッキー・ロークはとんでもなく素晴らしい演技だった！