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[コメント] 無法松の一生(1943/日)

例えばここに一生独身を通した男がいたとして、無法松みたいに誰か操を立てた女性がいたなどとは今じゃ誰も考えないだろうが、どこか心を打つものがある。
G31

男は軍人(が尊敬の対象であるのは、この時代の日本のお国柄からで、状況が変われば武士であったり貴族であったり上流階級ということになるのだろうが)の未亡人に操を立てているのに、当の未亡人は自分以外の別の男をとっかえひっかえ引っ張り込んではしっぽりやっている、となると西欧的な観点で言うところのドラマが生じる。ところがこの日本の物語は、お互い操が固いので、まったくドラマにならない。物語としてはちっとも面白くないのだが、なにかそこには日本的な情緒があって、言うなれば味わいがある。そんな作品である。映像表現がどことなくメランコリックなところも良かった。

75/100(07/06/19記)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)irodori

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