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[コメント] 精神(2008/日)

ひどく取り留めのない事実の羅列に散漫な印象を受けた。
田邉 晴彦

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







とにかく面白かった前作『選挙』に比べると、だいぶ見劣るなぁ…。

選挙』の一番魅力的なポイントは、被写体がカメラの存在を忘れていることだった。おそらく相当の時間カメラを回し続けることによって、被写体の無意識を引き出していたのだろう。だからこそ、時折ドキッとするよう発言が随所に飛び出し、それ自体が作品の魅力となっていた。

しかし本作では多分に監督との対話形式でのインタビューが挿入されてくる。被写体たちがカメラに向かって切々と自らの窮状を訴えてくる。これでは普通のドキュメンタリーであって、『選挙』で僕が感じた「観察映画」の魅力とは程遠い。

いま思えば、『選挙』は被写体としての山内さんのファニーさと「選挙」という制度が根底にもつ諧謔味を素直に描写した結果だったのかもしれない。あれに並ぶエポックな瞬間は本作には最後まで見受けられなかった。

(評価:★3)

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